宗介の家と恋の家は公園の近くにある。
紺色の外装の和モダンにも見える和風な作りの家が宗介の家で、隣にある白い壁の家が恋の家である。
「だる。ほんっとーに来んだから」
後ろを歩いてきた撮影隊に振り返って、宗介が毒づいた。
「ここが僕の家。別に逃げも隠れもしないけど。ああもう、古賀先輩、撮らないでくださいよ」
「ビデオ回ってます」
「畜生。僕んちは樋山んとこみたいにバカでかい訳じゃないんだから。玄関までですからね。」
宗介はそう言うとガラガラと引き戸を開けた。
「ただいま」
苛立った声で宗介が言うと、奥からお母さんが出て来た。
「おかえり宗介。あら今日はお友達がいっぱい居るのね」
「別に友達じゃないんだけど。家見んだってさ。」
宗介が振り返ると、伊鞠や古賀くんを始め撮影隊はみんなもうちゃっかり玄関に靴を揃えていた。
「畜生……」
宗介は腹をくくって、諦めて説明し始めた。
「うちは7LDK。一階に和室が4部屋あって、2階に僕と両親の部屋がある。」
宗介はそう言いながらリビングに入らず和室の戸を開けた。
「縁側に面してる2部屋がごろ寝部屋。もう一つの和室が母さんの裁縫部屋でもう片方は、恋がやらかした時する説教の部屋。縁側は石庭になってて、眺めが良いんですよ。」
「撮ります」
「縁側はシャッターチャンスね。普通のおうちに石庭はないから……珍しいわ。面白い趣向ね。」
「僕が小さい頃から、家はリフォームとかしてません。」
宗介が言った。
「両親が凝り性で。注文住宅なんですよ。庭とかも自分で設計して。母親が建築家の資格持ってるんです。」
「すごいですね上野先輩」
「上野くんちみんな優秀だもんね。うちも注文住宅だけど、多分安いやつだよ。上野くんちみたいに上質な作りじゃないんだよね。もちろん設計は設計師さん。」
「次、2階。見たらさっさと帰ってよ。古賀先輩は、僕映したら怒りますからね。」
宗介に続いて一同は階段を登った。



