幼なじみは狐の子。〜黒白王子の三角関係〜番外編.自宅訪問撮影〜黒王子編〜


 


 学校の帰り。


「お願いお願いお願いだから!」

「絶対嫌です」

「上野先輩、諦めてくださいよ」


 恋達は校門から歩きながら、新聞部と古賀くんと親衛隊の撮影部隊に囲まれていた。


「私、上野先輩のおうち行くシミュレーションし過ぎてもう鬱ですよ。玄関から先輩の自室まで、バージンロードを歩くようにしずしずと歩いて見せますから。」


 言い募る篠田さんに、宗介は怒り笑い。


「お断り。僕の平穏を乱さないで貰える?。大体、篠田、お前はモテるんだから親衛隊長とか推し活とか下らないことやってないで普通に居ればいいだろ。頭おかしいんじゃねえの。」

「嫌です。推し活命。たとえ姫がちゃんと居ようとも、私は上野先輩を推し続けます。」


 篠田さんは恋に振り返ると言った。


「しょうがないから、この頃は新田先輩も一緒に推し始めたんですよ。新田先輩が載ってる雑誌買って、部屋に飾ってます。飾るっていうか、祀る?上野先輩と並べて。カプ推し対応可なので、私については安心してください。」

「篠田さんは良心的よね。最近はカプ推しの子も増えて来てるのよ。三角関係アニメみたいで面白い、とか。見てると恋愛運上がりそう、とか。色んな子が居るわ。」

「……カプ中」

「カプ中毒の子も居て、そういう子は、黒王子と姫、白王子と姫の記事ばっかり集めて見てる。珍しいけど、時々黒王子と白王子をカプとして捉える子も居るのよ。多様性よね。」

「なんだそりゃ。とにかく、僕は嫌ですからね。」


 宗介はきっぱり言うと、肩に掛けて持っていた鞄を持ち直した。

 恋と宗介が歩き出すと、新聞部も古賀くんも親衛隊もついていく。


「さっきの撮ってます」

「ああん?」


 古賀くんの静かな呟きに、宗介は怒り笑い。


「家に行く前のやりとりもあった方が面白いんで。これは良いムービーになる。黒王子のキャラクター性の象徴になりますね」

「古賀先輩は真面目にやってんなって言うんですよ」


 宗介は怒り笑いして毒づいた。


「ああ、嫌だ嫌だ。僕の部屋なんか晒して何する気?。なんにもなる訳ないっつーの。」

「まあまあ」

「良いじゃん良いじゃん。上野くんは黒王子なんだから、もっと自覚持ちなよ。頑張んなきゃ」

 
 
 理央が笑いながら宗介の肩を叩いて、恋達は宗介の家へ歩いた。