休み時間。
新聞部の二人が高等部からやってきて、恋達の前で紙吹雪を撒いた。
「大成功!。白王子ってあのイケメンですか?って今まで知らなかった子達から問い合わせが殺到。黒王子について聞きたがった子も多かったわ。白王子って超リッチなんですね、って話題になってる。同じ時間高等部でも放映してたから、これからはお姉様方のファンが続々!増えるわよ。」
「うざ」
美風が怒り笑いで呟いた。
「なんのつもりですか加納先輩。あんな風に放送されて僕の家、特定されたらどうしてくれるんですか。犯罪に繋がりかねない。どうしてくれるんだ。」
「新聞部は、今度、ツアーを組むのよ。」
伊鞠が宣言した。
「白王子のお家を、見せて貰いに行く特別ツアーを。外からだけでも、あの御屋敷は見応えあるわ。もちろん中も見せて貰える方が良いけど。」
美風は一瞬、旗を持った伊鞠率いる親衛隊達が自分の家へ乗り込んでくる想像をした。
「冗談じゃない。人の家、なんだと思ってるんですか。」
ワンテンポ遅れて悲痛に叫んだ美風に、新聞部は平然と笑っている。
「樋山くんち、映像で見ても広かったね。あそこまで立派だと、撮り方関係ないのかな」
理央が感心して言った。
「とにかく、もう新聞部と親衛隊はお断りだ。二度と来ないでくださいね。撮影なんてとんでもない。」
「あら、どうして。良いじゃない。」
「良い訳あるか。僕んちは見せ物じゃない。どうしよう、今まで知らなかった人達まで、僕のことを変な目で見るようになったら。大体白王子ってなんだよ。僕は納得してませんからね!。」
伊鞠はかっかしている美風に余裕を見せて笑いかけた。
宗介は黙っていたが、ふと視線を感じて顔を上げると、桂香が自分の事をじっと見つめている。
桂香は恋の隣に立っていた宗介に人差し指を向けた。
口を開いて言ったのはこうだった。
「……Next you.」
「バカ言え」
宗介が怒り笑いで返した。
「僕んち来ても通しませんよ。僕は新聞部にも親衛隊にも一切用事ありません。撮影なんてとんでもない。樋山んちだけで充分。」
美風が反論した。
「嫌だ。僕んちだけが晒し者にされるのは。絶対不平等だ。加納先輩石巻先輩、こうなったら上野の家も白日の下その全貌を公にしてやってください。」
「黙れ樋山」
「むろんそうするわ。ふうむ上野くんちは新田さんちのお隣の和風一軒家……撮影しがいがありそうね。そうだ、白王子や姫のおうちと対比させてナレーションするっていうのはどうかしら?」
「だって。上野くん。」
理央がケラケラ笑った。



