甘い恋を、もう一度。

「うーん……。」

朝、わたしは家の鏡を見回した。

くるりと体が回る。

わたし、花咲 華恋(はなさき かれん)。

わたしが好きなものは裁縫。苦手なものは…目立つこと。

小学生のころ、目立ってしまって友達に嫌な思いをさせてしまったからー。

今は目立たないように、メガネをつけて地味にしている。

元のままでも、十分地味だと思うけどー。

もう友達を傷つけてあげたくなくて、メガネをつけているんだ。

思わずうつむいてしまったけれど、その落ち込んだほおをぱんっとたたく。

ダメダメ!マイナス思考はよくないっ。

楽しいことを考えようっ。

今日から入学式なんだっ。

わたしが今日から通う、栖蘭学園中等部は制服がとびきりかわいい。

セーラー服で、リボンが付いてて…この学園に入ったのは、制服ねらいと言って良いほど…。

…そして、めちゃくちゃお金持ち学園。

エリート学園、って言った方がいいかな。

わたしはドアに手をかけた。

ーガチャッ!

「行ってきます!」

ガッとドアを開けて、歩き出す。

今日はいい天気だなぁ…!

ふふん♪と鼻歌交じりに歩く。

桜が綺麗…。

思わずうっとりしそうになったけれど、はっ!とする。

ダメダメ!時間がないんだから!

あれ…ここ、どこ……。

や、やってしまった…。

わたしは"超"がつくほどの方向音痴。

どうやら…わたしは道に迷ってしまったみたいです…。

キョロキョロと辺りを見回す。

「…あ!」  

同じ制服の人がいる…!

こ、この人に聞けばなんとかなるかなっ。

「あの…」

「…」

む、無言…だけどっ、負けるな、わたし!!