美風の部屋のある二階へ上がると、古賀くんが突然、コホンと咳払いをしてから、ビデオカメラに良い声でナレーションを始めた。
「さあ、今明かされる白王子の真実。その生活の真髄に迫ります。」
「気味が悪い。変なこと言わないでくれません」
美風のぼやきをバックに、撮影隊が美風の部屋に入った。
「広い!。二間あるのね。書斎と寝室、それからリビングが見えます」
伊鞠がビデオカメラに向かって言った。
古賀くんが厳かに言った。
「わが校の綺羅星、黒白王子の白王子、普段は静かに生活されている様です……。」
「樋山くんは一等お金持ちだもんねえ。庶民からしたら羨ましい。」
「ここで暮らす美風様。スーハースーハー、今のうちに同じ空気を吸っとかなきゃ……」
「書斎にはどんな本があるんですか?」
篠田さんが聞くと、美風は、
「親が買った図鑑とか、有名海外アーティストの画集とか。あとはSFものとかだよ」
と言って本を一冊手に取った。
「滅多に読まないけど。画集は僕も気に入ったのを買ってる。ポストカードブックとかもあると思ったな」
「見せてください。」
古賀くんは美風の画集をゆっくりと写しながら、ページを捲った。
ズカズカと寝室兼書斎に入り込んだ伊鞠が各所にシャッターを切りながら言った。
「新聞部はベッド。ファンサのためにベッドを撮影したいのよ。白王子、できればちょっと横になってポーズを取って貰えない?。散らすために薔薇貰って来てるのよ。バスルームの薔薇風呂でも良いけど。」
「絶対嫌です。変態なんですか。訴えますよ。」
怒り笑いした美風に、うららが後ろで鼻血を吹いている。
鼻血を吹くうららをゆっくり撮っていた古賀くんが美風のベッドの周りを映し始めた。
「ベッド上にはやっぱり絵。比較的大きな絵画ね。うーんこの御屋敷、絵が多いわね。」
「様々な絵と共に、白王子は優雅に生活しています……このお屋敷って何LDK位なんですか?」
「20位ですよ。この部屋は2つで30畳とちょっと。」
キョロキョロしている撮影隊に、美風ははあ、とため息を付いた。



