「はい?」
理央が返事をすると、彫像の様な、でも顔色の冴えない顔の女の人が恋の方を見た。
「料金は頂きません。あの、お一人、緊急の事柄が暗示されている方が居ましたので。」
「緊急?」
その瞬間、恋は体がぞわっと冷えるのを感じた。
思わず宗介の方を見ると、宗介は信用ならないと言った顔で女の人を見ている。
「あなた、秘密バレますよ」
女の人がハッキリした発音で恋に向かって言った。
「秘密?」
美風が急に緊張した顔になり、宗介はまっすぐ女の人を見返した。
「恋、何か秘密があるの?」
理央が聞いて振り返った。
「ない。」
恋が小声で言った。
一瞬の間の後、理央がすぐに笑いながら恋の背中をぱしんと叩いた。
「浮気でしょ。分かってる。浮気してばれたんだ。」
「それだったらスクープね」
「気をつけた方が良いですよ。かなり強い暗示ですから。これから……」
占い師は最後まで言わなかった。
美風がカチコチに固まっている恋の肩を寄せて頭を撫でた。



