10歳下のキミに初めて恋をした

十八歳の羽山麗奈は、進路のことで少し大人びた悩みを抱えながらも、平穏な高校生活を送っていた。





そんなある日、母親のいとこにあたる八歳の少年・橘健太を親戚の都合で数日間預かることになる。





「麗奈ちゃん、あそぼ!」と、出会い頭にしがみついてきた健太は、とにかく甘えん坊だった。






はじめは「子供の相手は面倒だな」と思っていた麗奈だったが、自分に全幅の信頼を寄せ、無邪気な笑顔を向ける健太を見ているうちに、その胸の奥がじんわりと温かくなるのを感じる。





ある日、夕暮れの公園で転んで泣きじゃくる健太を膝に抱き、絆創膏を貼ってやったとき、健太は麗奈の服の裾をギュッと掴みながらこう言った。





「大きくなったら、麗奈ちゃんをお嫁さんにしてあげる!」





そのまっすぐな瞳を見た瞬間、麗奈の心臓が激しく跳ねた。





戸惑い、そして自覚する。





――これが、私の初めての恋だ。





年の離れた、血のつながった小さな親戚への切ない恋心が、こうして静かにはじまった。