財界の暴君に契約妻として囲われました ~初恋を拗らせた大富豪に、一途に愛されています~

「ええ、どこで知り合ったの、こんな綺麗な女性と」
「フフッ、……実は、高校時代の同級生で、……初恋の女性なんですよ」

 少し照れた表情で口にした彼。これも、演技の一部だとわかっているのに、嬉しくなってしまう。
 柳社長は目を大きく見開き、満面の笑みを浮かべた。

「えっ、それは大スクープだよ!」

 柳社長は、手にしているグラスワインをぐいっと飲み干した。

「じゃあ、交際歴十年くらい?」
「いえ、つい最近再会して。……スピード婚というやつです」
「それはまた、驚きだ……!」

 男性なのにこの手の話題が好きな柳社長は、惺也くんと軽快な会話をしながら、時折私に視線を寄こしてくる。
 その度に惺也くんは優しく髪を撫でたり、熱い眼差しを向けてくるから、そんな私たちを見て、柳社長が「ラブラブだね~」なんて揶揄ってくる。
 柳社長は楽しそうに顎髭に指先を滑らせ、ふっと表情を緩めた。