翌朝。キッチンで珈琲を淹れていると、二日酔いなのか、気怠そうにしながら惺也くんが起きてきた。
「昨日は、すまなかった。普段は呑まれるほど飲んだりしないんだが……」
謝罪のような言い訳のような言葉が漏れてきた。
「お仕事でお酒を飲むこと自体にどうこう言うつもりはないんだけど……。せめて、プライベートな空間の寝室にまで、秘書が入り込むのはどうかと思う。……正直、いい気分じゃなかったから」
本当は言うつもりなんてなかった。
私は父の会社の借金を肩代わりしてもらった対価として、彼の妻になっただけ。
彼のプライベートに口出す権利なんて、最初から、ないのだから。
それでも、城ケ崎さんが本命ではないなら、せめて秘書の前でくらい〝妻〟としての威厳を保っていたいと思ってしまった。
「悪かった、嫌な思いをさせて……。城ケ崎には、俺からきちんと話しておく」
申し訳なさそうに言う彼を見て、確信する。
『城ケ崎』と口にした彼。〝マリさん〟ではなかった。
いや、仕事とプライベートはしっかりと分けているのかもしれないが、女の勘がそう判断した。
――城ケ崎さんが本命ではないのだと。
「昨日は、すまなかった。普段は呑まれるほど飲んだりしないんだが……」
謝罪のような言い訳のような言葉が漏れてきた。
「お仕事でお酒を飲むこと自体にどうこう言うつもりはないんだけど……。せめて、プライベートな空間の寝室にまで、秘書が入り込むのはどうかと思う。……正直、いい気分じゃなかったから」
本当は言うつもりなんてなかった。
私は父の会社の借金を肩代わりしてもらった対価として、彼の妻になっただけ。
彼のプライベートに口出す権利なんて、最初から、ないのだから。
それでも、城ケ崎さんが本命ではないなら、せめて秘書の前でくらい〝妻〟としての威厳を保っていたいと思ってしまった。
「悪かった、嫌な思いをさせて……。城ケ崎には、俺からきちんと話しておく」
申し訳なさそうに言う彼を見て、確信する。
『城ケ崎』と口にした彼。〝マリさん〟ではなかった。
いや、仕事とプライベートはしっかりと分けているのかもしれないが、女の勘がそう判断した。
――城ケ崎さんが本命ではないのだと。



