財界の暴君に契約妻として囲われました ~初恋を拗らせた大富豪に、一途に愛されています~

 待ちに待ったデート当日、完璧なデートプランを用意して挑んだ。
 
 ホテルのスイートルームに高級ブランドの外商部を数社集め、それぞれに最高級の一点物を豊富に用意させた。
 ドレスアップさせて、自家用クルーザーで専用シェフによる豪華なクルージングランチ。
 秘書にリサーチさせ、彼女が好きなそうな曲をラインナップしてのフルオーケストラによる生演奏。
 銀座でのショッピングデートでは、手にしたものや目を留めたものは片っ端から買い上げた。
 
 花火もそうだ。
 幼い頃から花火好きという情報をキャッチしたから、花火師に依頼したんだ。
 
 彼女が倒れた瞬間、目の前が真っ暗になり足下から凍りつく感覚が走った。
 俺は、彼女の好きなものだけを集めて、満たすことが〝完璧なデート〟だと思っていた。

 彼女の両親に挨拶に行った際に〝高所恐怖症〟だと教わり、血の気が引いたのを今も覚えている。

 入籍して、半月。
 李茉が俺のマンションに越してきて、漸く〝夫婦生活〟が始まったことが嬉しくて、有頂天になっていた。
 夫婦なのだから当然のように、俺は身も心も手に入れられると思っていた。
 だが、彼女の涙を見た瞬間、自分の愚かさを思い知った。