財界の暴君に契約妻として囲われました ~初恋を拗らせた大富豪に、一途に愛されています~

「……まあ……! これ……!」

 黒と金を基調にした重厚なギフトボックス。
 蓋を開けると、深い緑色のガラス瓶に入ったエキストラバージンオリーブオイルと白トリュフオイル、そして細かな結晶が煌くトリュフ塩が収められていた。

「イタリア産の……オリーブオイル? しかも、この白トリュフオイル……現地でもなかなか手に入らないものよ……!」
「えっ、そんなに凄いものなんですか……?」

 思わず聞き返すと、園長先生は目を丸くして私を見る。

「凄いどころじゃないわよ、李茉先生。これ、料理好きにはたまらない逸品よ。どうやって入手されたの?」

 興味津々の視線が惺也くんへ向く。
 彼は口角をわずかに上げ、〝当然だ〟と言わんばかりの表情で答えた。

「たまたまイタリアに出張で赴いていたので、よさそうな品を見繕ってみました。料理がお好きだと伺っていたので……」

 さらりと告げるその声音は、まるでコンビニでジュースを買ってきたかのような気軽さ。
 園長先生は感嘆の息を漏らし、私はただただ呆然とするしかなかった。