財界の暴君に契約妻として囲われました ~初恋を拗らせた大富豪に、一途に愛されています~

 いやいやいや、買い物の規模が違いすぎるんだってばっ……!
 今日私に使った総額だって、きっと恐ろしい額だと思う。
 この落札金額だって……もう、想像もしたくない。

 片桐くんはワインを一口含み、私を真っすぐと見据えた。

「金は眠らせるな。動かしてこそ意味がある。誰かの役に立てば、いずれは別の形で己に返ってくるものだ」
「……っ」

 彼の言葉が、胸の奥に深く刺さった。
 
 私は、自分の手に視線を落とす。
 この手で──誰かの人生が変わった。

 未空が言った言葉を思い出す。
『〝間違った使い方〟はしてなかった』
 
 本当にそうだ。
 彼は彼なりの哲学で、お金を使っている。
 まあ、私の理解できる範疇を軽~く越しているけれど……。