財界の暴君に契約妻として囲われました ~初恋を拗らせた大富豪に、一途に愛されています~

 自然と会話が弾み、元先生も照れながらも楽しそうに選んでいる。
 そんな元先生を見つめ、惺也くんも私へのプレゼントをこんな表情で選んでくれているのかな……。
 きっと……違う。私への贈り物は、ご機嫌取り用の手土産だもの。そこに、妻への愛情は込められていない。

 ホテルでの一夜は……酔った勢いか、感情が不安定だった私を宥めるための行為にすぎない。
 彼への想いが〝好き〟だと意識すればするほど、胸が痛みで苦しくなる。

「よし、これにする。李茉先生、もう少し時間大丈夫?」
「……あ、はい、大丈夫ですけど」
「じゃあ、夕飯奢るから、付き合って」
「え、いいですよ‼ お家で静琉さんが待ってますよ」

 顔の前で両手を振って断る。

「今日は実家に帰ってるんだよね。お義母さんが、煮物をたくさん作ってくれたみたいで」
「……そうなんですか?」
「李茉先生も、悩みがあるんでしょ……?」
「へ?」