財界の暴君に契約妻として囲われました ~初恋を拗らせた大富豪に、一途に愛されています~

 正門を出ると、門前に黒い高級セダン車が停まっていた。 
 私の足がぴたりと止まると、後部座席のドアが静かに開き、中から男性が降りてくる。
 その姿を見て、背筋がぞくりと震えた。

 またあの人だ……!
 昨日も来てたよね?
 え、もしかして、……毎日通うつもり……?

 ドアを閉めた彼は車に凭れかかり、私に声をかけてきた。

「返事を聞きに来た」

 凄みのある声音、鋭い眼差し、高圧的な態度。
 何度見ても怖すぎる……。
 男と視線が交わり、私の心臓がどくんと跳ねた。

「返事も何も、私、断りましたよね?」
「俺は〝YES〟以外、受け付けない」
「なっ……!」

 この人、本気で言ってるの?
 何でここまで執着するの……?

〝いい加減、観念したらどうだ?〟と言わんばかりの態度に、呆れと恐怖が入り混じる。
 男は腕を組んだまま、私の全身をゆっくりとなぞるように視線を滑らせた。