柳社長の声に反応するように、惺也くんは愛華さんの腕をそっと払い、私の方へ歩み寄る。
「宝生会長、紹介します。妻の李茉です」
私は手にしていたお皿を近くのテーブルの上に置き、丁寧にお辞儀をした。
「……初めまして、片桐の妻です。主人がいつも大変お世話になっております」
ゆっくりと顔を上げると、宝生会長が驚いたように眉を上げ、私をじっと見据えていた。
その隣にいる愛華さんは目を細め、私に鋭い視線を向けている。
「いつ、結婚したのかね?」
「三カ月ほど前に、入籍だけ済ませまして……」
「こりゃ、驚いた。……ゆくゆくは娘の婿にと思っていたんだがな」
「ハハハッ、宝生会長、ご冗談が上手い」
宝生会長の目は本気の色が窺えるが、惺也くんは至って冷静に言葉をかわした。
その時、パーティーの参加者がぶつかり、手にしていたワインがドレスに零れてしまった。
「っ……!」
「あっ、これはすまない! お怪我はありませんか?」
恰幅のいい男性が、申し訳なさそうにポケットチーフを差しだしてきた。
「……はい、大丈夫です」
「綺麗なドレスを汚してしまって、申し訳ない」
「いえ、大したことないので、大丈夫です。……惺也くん、ちょっとお化粧室に行ってきます」
「一人で大丈夫か?」
心配そうに覗きこむ惺也くんに笑顔で頷き、私はその場にいた人たちに会釈して、慌てて化粧室へと向かった。
「宝生会長、紹介します。妻の李茉です」
私は手にしていたお皿を近くのテーブルの上に置き、丁寧にお辞儀をした。
「……初めまして、片桐の妻です。主人がいつも大変お世話になっております」
ゆっくりと顔を上げると、宝生会長が驚いたように眉を上げ、私をじっと見据えていた。
その隣にいる愛華さんは目を細め、私に鋭い視線を向けている。
「いつ、結婚したのかね?」
「三カ月ほど前に、入籍だけ済ませまして……」
「こりゃ、驚いた。……ゆくゆくは娘の婿にと思っていたんだがな」
「ハハハッ、宝生会長、ご冗談が上手い」
宝生会長の目は本気の色が窺えるが、惺也くんは至って冷静に言葉をかわした。
その時、パーティーの参加者がぶつかり、手にしていたワインがドレスに零れてしまった。
「っ……!」
「あっ、これはすまない! お怪我はありませんか?」
恰幅のいい男性が、申し訳なさそうにポケットチーフを差しだしてきた。
「……はい、大丈夫です」
「綺麗なドレスを汚してしまって、申し訳ない」
「いえ、大したことないので、大丈夫です。……惺也くん、ちょっとお化粧室に行ってきます」
「一人で大丈夫か?」
心配そうに覗きこむ惺也くんに笑顔で頷き、私はその場にいた人たちに会釈して、慌てて化粧室へと向かった。



