父の会社の倒産危機を知ってから三日が経った。
園児が帰った後の教室には、子どもたちがつくった鯉のぼりが壁一面に貼られている。
折り紙をちぎって貼ったり、クレヨンで鱗や目などを描き足して、子どもたちなりに創意工夫をしたもの。
中には自分の手に絵の具をつけて、スタンプを押すみたいに手形で鱗を演出した子もいる。
私は一人っ子だったから、我が家には鯉のぼりがなくて、よく親に『うちにも買って』とせがんだっけ。
ふと、自分の両親の顔が浮かんだ。
倒産危機の話を聞いて以来、二人は私に無理して笑顔をつくっているように見える。
その〝平気なふり〟が、逆に私の胸をきつく締めあげる。
この二日間、私は友人知人に、お金を貸してほしいと頼み込んだ。
けれど、色よい返事は皆無で……。
自分がお金の無心をしているということに、自分自身が一番ダメージを受けている。
たとえ身内でも、お金の貸し借りはしないと思っていたのに……。
教室の掃除、翌日の教材準備、来週の行事の確認……気づけば、時刻は十九時を回っていた。
いつもなら〝もう少しだけ〟と残るけれど、今はそれどころではない。
早く帰って、資金のあてを探さなきゃ……。
私は同僚に「お先に失礼します」と頭を下げて、職場を後にした。
園児が帰った後の教室には、子どもたちがつくった鯉のぼりが壁一面に貼られている。
折り紙をちぎって貼ったり、クレヨンで鱗や目などを描き足して、子どもたちなりに創意工夫をしたもの。
中には自分の手に絵の具をつけて、スタンプを押すみたいに手形で鱗を演出した子もいる。
私は一人っ子だったから、我が家には鯉のぼりがなくて、よく親に『うちにも買って』とせがんだっけ。
ふと、自分の両親の顔が浮かんだ。
倒産危機の話を聞いて以来、二人は私に無理して笑顔をつくっているように見える。
その〝平気なふり〟が、逆に私の胸をきつく締めあげる。
この二日間、私は友人知人に、お金を貸してほしいと頼み込んだ。
けれど、色よい返事は皆無で……。
自分がお金の無心をしているということに、自分自身が一番ダメージを受けている。
たとえ身内でも、お金の貸し借りはしないと思っていたのに……。
教室の掃除、翌日の教材準備、来週の行事の確認……気づけば、時刻は十九時を回っていた。
いつもなら〝もう少しだけ〟と残るけれど、今はそれどころではない。
早く帰って、資金のあてを探さなきゃ……。
私は同僚に「お先に失礼します」と頭を下げて、職場を後にした。



