2030年、日本の米輸出は8倍になった。港では米袋が次々と船へ積まれ、テレビは「農業復活」と拍手した。だが、町の米屋は空っぽ。子どもが茶碗を叩き、「ごはん!」と悲鳴を上げる。遠い田んぼで、生産者は輸出用の稲を刈りながら泣いた。自国の子に届かない米だけが、実った。