140字小説

離婚届を書いた夜は雨だった。
愛猫は彼が引き取る。
荷物をまとめ玄関で靴を履こうとすると、つま先に違和感があった。
中には猫が一番大切にしているボロボロのネズミのおもちゃ。
「これだけもらっておくね」
言いながら涙が出た。
足元で体をよせてくる猫を抱きしめた。
雨はやみそうになかった。