百文字怪奇短編集

 口下手な私。告白が恥ずかしくて『好きです』とだけ書いた手紙を彼の机に入れた。
 放課後。なぜか彼から呼び出しが。
『名前も書いてないのに、どうして?』
 彼は一言。
「見たら分かるよ、好きな人の書いた文字ぐらい」

【解説】
 名前のないラブレター。どうして彼は差出人が『私』だと分かったのでしょうか。
 それは、「彼も『私』のことが好きだったから」です。口下手な『私』のことを、彼もきっと遠くから見つめていたのでしょうね。手書きの文字が分かってしまうぐらいに。