百文字怪奇短編集

「ねぇ、生まれ変わりってあると思う?」
 台所で彼女が訊ねる。
「…ないだろ」
「そうだよね。人は死んだらそのままだよね」
 ホッとしたような顔で彼女が近づいてくる。おい、包丁は台所に置いてこいってば。

【解説】
 家で生まれ変わりについて話す二人。彼はそんなものは「ない」と答えます。
 彼女はそれを聞いて安心したようです。もし生まれ変わりがあったら、殺した彼が別の人間として蘇り、自分に復讐しに来るかもしれません。
 生まれ変わりがないと聞いた彼女は、安心して彼に近づきます。彼を殺害するための包丁を手に……。