その様子を少し離れた場所から見ていた春空は、タイミングを見計らって莉麻の前へ歩いていく。
春空「莉麻ちゃん。」
莉麻が振り向く。
春空「あのさ。」
少し照れたように笑う。
春空「また会えて嬉しい。」
まっすぐな言葉だった。
莉麻も嬉しそうに笑い返す。
莉麻「私もです。」
その笑顔を見た春空は、思わず胸が高鳴る。
……やっぱり可愛い。
病院で見た時も思ったけど。
笑うともっと可愛い。
そんな二人のやり取りを、悠真は静かに見ていた。
春空は昔から人懐っこい。
誰とでもすぐ仲良くなれる。
分かっている。
分かっているのに。
胸の奥が少しだけざわついた。
……なんだろ。
この気持ち。
春空と楽しそうに笑う莉麻を見つめながら、悠真は無意識に視線を逸らした。
その小さな変化に気づいたのは、奈津だけだった。
奈津は悠真を見てから、春空を見る。
そしてもう一度莉麻へ視線を向け、小さく笑う。
……面白くなりそうだな。
そんな予感が、胸の奥で静かに芽生え始めていた。



