翌週。莉麻は鏡の前で深呼吸をしていた。

白いブラウスにネイビーのジャケット。

少しだけ緊張した表情。

スマートフォンを見ると、約束の時間まであと三十分。

バッグを持ち、玄関へ向かう。

莉麻「行ってきます。」

小さく呟き、扉を開けた。

その一方でVELIXの練習室では、いつも通りレッスンが始まろうとしていた。

誰も知らない。

今日、新しく来るスタッフが。

悠真が初めて心を許した女の子だということを。

そしてその出会いが、六人の日常を少しずつ変えていくことも。

扉が静かに開く、その瞬間まで──。