コンコン。

再び病室のドアが開く。

看護師「失礼します。」

点滴の袋を確認すると、小さく微笑んだ。

看護師「もう終わりますね。」

針を抜き、止血をしながら悠真へ声をかける。

看護師「今日はこのまま帰宅して、しっかり休んでください。」

医師「熱中症は一度良くなったように見えても、無理をするとぶり返します。」

診察に来た医師も真剣な表情で続ける。

医師「少なくとも数日は仕事を休むこと。これはお願いではなく、指示です。」

悠真は少しだけ苦笑した。

悠真「……はい。」

その返事を聞いた奈津は、腕を組みながら笑う。

奈津「今度無理したら、俺が仕事止める。」

陽「俺も賛成ー。」

未来「全員一致。」

伊澄「反対する人、いないね。」

四人が笑う。

悠真も思わず吹き出した。

久しぶりに病室へ笑い声が響く。

その輪の中で莉麻も小さく笑っていた。

その笑顔を見つめながら、春空は心の中でそっと思う。

……また、会いたいな。

その気持ちは、まだ恋と呼ぶには小さすぎる。

でも確かに、春空の胸の中へ残り始めていた。