春空の視線は、何度も莉麻へ向いてしまう。

彼女はメンバーが入ってきても慌てることなく、小さく頭を下げた。

莉麻「初めまして。」

小さく、柔らかな声。

莉麻「莉麻です。」

それだけ言って、また悠真へ視線を戻す。

眠りを邪魔しないように。

起こさないように。

その仕草一つひとつが、とても自然だった。

春空はその様子をぼんやり見つめる。

……優しい人なんだ。

奈津はそんな春空に気づき、小さく笑った。

奈津「気になる?」

春空は慌てて奈津を見る。

春空「いやっ!」

少し声が大きくなり、慌てて口を押さえた。

悠真は眠ったまま。

ほっと胸を撫で下ろす。

春空「だって知らない子だし……。」

奈津は肩をすくめる。

奈津「俺も今日知り合った。」

その一言に、春空はさらに驚いた。

春空「今日?」

奈津「正確には悠真はもっと前から知ってる。」

春空は不思議そうに首を傾げた。