病室に入った瞬間、春空は思わず立ち止まった。
ベッドで眠る悠真。
その横には奈津。
そして見たことのない女の子が、悠真の手を優しく包み込んでいた。
春空は何度か瞬きをする。
……誰?
マネージャーでもない。
スタッフでもない。
もちろん、家族でもない。
それなのに悠真は、その子の手を握ったまま安心したように眠っている。
そんな姿、今まで一度も見たことがなかった。
春空「奈津くん……。」
小さく名前を呼ぶ。
奈津は「静かに」というように人差し指を口元へ当てた。
奈津「今、やっと寝た。」
その声につられて、陽たちも足音を殺しながら病室へ入る。
陽「うわ……。」
眠る悠真を見て、陽の表情が曇る。
未来「思ったより、ひどかったんだ。」
未来が静かに呟く。
伊澄も心配そうに悠真を見つめた。
病室には重たい空気が流れていた。



