ベッドの上では、悠真が静かに眠っている。

点滴が落ちる音だけが、部屋に響いていた。

ふと悠真の前髪が目にかかる。

莉麻は起こさないように、そっと髪を耳へ流した。

指先が触れた瞬間。

悠真の眉が少しだけ動く。

悠真「……ん。」

寝言みたいな小さな声。

そのまま無意識に莉麻の手を探すように動かす。

莉麻は驚いたものの、逃げなかった。

そっと手を重ねる。

すると悠真は安心したように、その手を軽く握った。

強くじゃない。

本当に、触れているだけ。

それだけで十分だった。

莉麻「ゆっくり寝ててください。」

小さく微笑む。

その穏やかな空気を見ていた奈津は、小さく笑った。

奈津「寝てても探すんだな。」

思わず独り言が漏れる。

莉麻は少し照れながら笑った。

莉麻「……甘えんぼさんですね。」

その言葉に、奈津は吹き出しそうになる。

奈津「本人が聞いたら否定するぞ。」

二人は顔を見合わせ、小さく笑った。