奈津は眠る悠真を見つめながら、小さく笑った。

奈津「悠真ってさ昔から人に頼るの苦手なんだよ。つらくても隠すし苦しくても笑う。」

莉麻は静かに耳を傾ける。

奈津「だから今日みたいに。」

眠る悠真へ視線を向ける。

奈津「誰かのそばじゃないと安心できないって顔、初めて見た。」

その言葉に、莉麻も悠真を見る。

穏やかな寝顔。

点滴を受けながら、安心しきったように眠っている。

あの日、家で眠っていた時と同じ顔だった。

莉麻「……頑張り屋さんなんですね。」

奈津は少し笑って頷く。

奈津「頑張りすぎるんだよ。」

その一言には、長い付き合いだからこその心配が滲んでいた。

莉麻は眠る悠真の前髪をそっと整える。

起こさないように。

優しく。

その仕草を見ていた奈津は、胸の奥で静かに思う。

――悠真が心を許した理由、少し分かった気がする。

この子は特別なことをしているわけじゃない。

ただ、誰よりも自然に、人を安心させられる子なんだ。