悠真が眠ったことを確認すると、奈津は小さく椅子を引いた。

できるだけ起こさないように、莉麻の隣へ腰を下ろす。

少しだけ沈黙が流れる。

先に口を開いたのは奈津だった。

奈津「今日はありがとな。」

莉麻は首を横に振る。

莉麻「私は何も……。」

奈津「いや。」

奈津は眠る悠真へ視線を向ける。

奈津「今日もあの日も莉麻ちゃんがいてくれたから助かった。」

その言葉は、リーダーとしてじゃない。

一人の友達としての感謝だった。

莉麻は少し照れたように笑う。

莉麻「私……悠真くんが苦しそうなの、放っておけなくて。」

その笑顔を見て、奈津は少しだけ目を細める。

本当に、この子は見返りなんて考えてないんだ。

だから悠真も安心したのかもしれない。