点滴が静かに落ちていく。

部屋の中には規則正しい電子音だけが響いていた。

薬が効き始めたのか、悠真は少しずつ眠気に襲われているようだった。

重たそうに瞼を閉じたり開いたりを繰り返す。

莉麻「眠かったら寝てくださいね。」

その声に悠真は小さく頷く。

悠真「……でも。」

眠そうな目で莉麻を見つめる。

悠真「起きたら……。」

少しだけ言葉を探すように黙り込む。

悠真「いなくなってそう。」

その一言に、莉麻は思わず笑みをこぼした。

莉麻「帰りませんよ。点滴が終わるまで、ちゃんといます。」

その返事を聞いた悠真は安心したように息を吐く。

悠真「……よかった。」

そのまま力が抜けるように目を閉じた。

数分もしないうちに、小さな寝息が聞こえ始める。

その寝顔は、サイン会で見せていたアイドルの表情とはまるで違っていた。