点滴が少しずつ体へ入っていく。
悠真は目を閉じ、小さく息を吐いた。
さっきまで熱くて重かった体が、少しずつ楽になっていく。
その横顔を見つめながら、莉麻は小さく口を開く。
莉麻「悠真くん。」
悠真はゆっくり目を開ける。
莉麻「頑張りすぎです。」
優しく笑うわけでもなく。
責めるわけでもなく。
本当に心配だからこそ出た言葉だった。
莉麻「ファンのみんなは、笑ってる悠真くんを見ると安心します。」
少しだけ言葉を区切る。
莉麻「でも……私は、元気な悠真くんを見たいです。」
その一言に、悠真は何も返せなかった。
胸の奥がじんわり熱くなる。
「頑張って。」
そう言われることはたくさんあった。
でも。
「無理しないで。」
「元気でいてほしい。」
そんなふうに言われたのは、いつぶりだろう。
悠真は照れ隠しみたいに少し笑って、小さく頷いた。
悠真「……うん。」
その返事は、今までで一番素直だった。
そのやり取りを少し離れた場所から見ていた奈津は、腕を組みながら小さく笑う。
……やっぱり。
悠真を変えてるのは、この子なんだ。



