病院の自動ドアが開く。

夜にもかかわらず、待合には数人の患者が座っていた。

悠真は帽子を深くかぶり直し、マスクをつける。

それでも歩き出した瞬間、少しだけ足元がふらついた。

莉麻「悠真くん。」

反射的に腕を支える。

悠真は小さく「ありがとう」と呟いた。

その様子を見ていた奈津は自然と反対側へ回り込み、悠真の肩を支える。

奈津「今日くらいは遠慮すんな。ちゃんと頼れ。」

悠真は苦笑しながら頷いた。

悠真「……うん。」

その返事はどこか素直だった。

受付へ向かう三人の後ろ姿を見ながら、マネージャーは少しだけ安心したように息をつく。

一人で抱え込んでいた悠真が。

少しずつ、人を頼れるようになっている。

その変化は、小さいようで、とても大きな一歩だった。