車がゆっくりと病院の駐車場へ入る。

窓の外には救急外来の明かりが見えた。

エンジンが止まり、静かな空気が車内を包む。

それでも悠真はまだ目を覚まさない。

規則正しい寝息を立てながら、莉麻の膝へ頭を預けたまま眠っていた。

さっきまで苦しそうだった表情は少しだけ穏やかになっている。

でも、額へ触れるとまだ熱かった。

莉麻「……熱い。」

思わず小さく呟く。

前髪をそっと避け、もう一度額へ手を当てる。

少しでも楽になってほしい。

そんな気持ちだけだった。

その様子をバックミラー越しに見ていたマネージャーが、小さく口を開く。

マネージャー「悠真を起こさないとな。」

奈津は静かに頷いた。

奈津「俺が起こす。」

そう言って後部座席へ体を向ける。