スタッフ用通路は、さっきまでの賑やかさが嘘みたいに静かだった。
三人の足音だけが、小さく響いている。
悠真はほとんど俯いたまま歩いていた。
一歩進むたびに体が揺れる。
そのたびに、莉麻は肩へ回された腕を支え直した。
莉麻「ゆっくりで大丈夫です。」
焦らせないように安心させるように優しく声をかける。
その声を聞くたびに、悠真の強張っていた肩から少しずつ力が抜けていく。
……不思議だ。
奈津は隣でその様子を見ていた。
自分が声をかけても返事はほとんどないのに。
莉麻が話しかけると、悠真は小さく頷く。
まるで、その声だけを探しているみたいだった。
……こんな悠真、初めて見る。
奈津は胸の中でそっと呟いた。



