莉麻はそっと悠真の背中へ手を添える。

ゆっくりと、安心させるように撫でた。

莉麻「大丈夫ですよ。」

耳元で優しく話しかける。

莉麻「私はどこにも行きません。ちゃんと、一緒にいますから。」

その言葉を聞くと、悠真の肩から少しずつ力が抜けていく。

苦しそうだった表情も、ほんの少しだけ和らいだ。

安心した子どもみたいに、小さく頷く。

悠真「……うん。」

その姿を見た奈津は、静かに息を吐いた。

……ここまでか。

一人で歩かせるのは無理だ。

奈津は莉麻へ視線を向ける。

奈津「悪いけど、一緒に支えてもらっていい?」

莉麻は迷わず頷いた。

莉麻「もちろんです。」

悠真の右腕を奈津の肩へ。

左腕を莉麻の肩へ。

二人でゆっくり体を支える。

奈津「ゆっくりでいい。」

その声に合わせるように、一歩ずつ歩き始める。

悠真はまだ莉麻の服を離さないまま、小さく息をついた。

その温もりだけを確かめるように。