悠真の指先が、莉麻の服をぎゅっと掴んだ。

さっきより少しだけ強く。

離したくない、とでも言うように。

奈津「悠真?」

ゆっくり顔を上げようとした悠真は、小さく首を横へ振る。

苦しそうに息を吐いて、かすれた声をこぼした。

悠真「……やだ。」

奈津は思わず目を見開く。

奈津「え?」

悠真は目を閉じたまま、小さく呟く。

悠真「……まだ。」

言葉が途切れる。

呼吸が震える。

悠真「……離れたくない。」

その一言は、とても小さかった。

でもその場にいた三人には、はっきり聞こえた。

熱に浮かされて気を張る力も残っていなくてだからこそ零れてしまった、本音。

莉麻は驚きながら悠真を見つめる。

自分の服を掴む手が、少しだけ震えていた。