悠真「……ごめん。」
かすれた声が耳元で震える。
そのまま悠真の腕が、ゆっくり莉麻の背中へ回った。
抱きしめようとしたわけじゃない。
支えを探すように。
安心できるものを求めるように。
震える指先が莉麻の服をそっと掴む。
ぎゅっ……。
その小さな力に、莉麻は息をのんだ。
まるで抱きしめ合っているみたいな距離。
でも、その腕から伝わるのは恋愛の熱じゃない。
必死に耐えていた人が、ようやく誰かを頼れた安堵だった。
莉麻は驚きながらも、逃げなかった。
そっと悠真の背中へ手を添える。
ゆっくり子どもをあやすみたいに優しくさする。
莉麻
「大丈夫ですよ。だから、安心してください。」
その声を聞いた瞬間。
悠真の肩から、ふっと力が抜ける。
苦しそうだった呼吸も少しだけ落ち着いていく。
その光景を目の前で見ていた奈津は、言葉を失った。
……嘘だろ。
あの悠真が。
誰かに、ここまで身を預けるなんて。
一度も見たことがなかった。



