翌日。会場には朝からたくさんのファンが集まっていた。
莉麻「あと少しで悠真くん……。」
莉麻は整理券を胸の前で握りしめる。
胸がどきどきする。
あの日以来、一度も会っていない。
あの日のことを思い出すたびに、悠真はちゃんと元気になったかな、と考えてしまっていた。
今日は元気な姿を見られる。
そう思って来たのに。
ステージへ現れた悠真を見た瞬間、莉麻の笑顔が少しだけ消えた。
……あれ。
遠くからでも分かる。
笑っている。
手も振っている。
でもどこか無理をしている笑顔だった。
顔色は少し白くて、額には細かい汗が浮かんでいる。
周りのファンは気づいていない。
みんな嬉しそうに手を振っている。
でも莉麻だけは、あの日の悠真を知っている。
だから分かってしまった。
――まだ、本調子じゃない。



