あの日から、五日が過ぎた。

熱は下がったし食欲も戻った。

けれど、体はまだ本調子じゃなかった。

それでも、仕事は待ってくれない。

今日は朝からダンスレッスン。

明日は雑誌の撮影。

その次はサイン会。

スケジュール帳は休む隙間もないくらい埋まっていた。

「はい、今日はここまで!」

ダンスの先生の声がスタジオに響く。

音楽が止まると同時に、悠真は小さく息を吐いた。

……思ったより、きつい。

汗が首筋を伝って落ちる。

息も少し上がっていた。

その様子を見ていた陽が、タオルを首にかけながら近寄ってくる。

陽「悠真、大丈夫?今日めっちゃ汗かいてない?」

悠真は笑ってタオルで額を拭いた。

悠真「ちょっと暑いだけ。」

その笑顔はいつも通りだった。

だからこそ、陽は少しだけ首を傾げる。

陽「ほんと?」

そこへ奈津もペットボトルを持って歩いてきた。