部屋に穏やかな空気が流れる。
もう大丈夫そう。
そう思った莉麻はバッグを手に取った。
莉麻「それじゃあ……。」
少し名残惜しさを感じながらも微笑む。
莉麻「今度こそ帰りますね。」
悠真は一瞬だけ黙った。
「また来て。」
その言葉が喉まで込み上げる。
でもそんなこと言える立場じゃない。
今日助けてもらっただけ。
連絡先も知らない。
また会える保証なんて、どこにもない。
……それでも。
帰ってしまうと思うと、少し寂しかった。
悠真「……今日は、本当にありがとう。」
ゆっくり頭を下げる。
アイドルとしてじゃない。
一人の悠真として。
心からの感謝だった。
莉麻は優しく首を横に振る。
莉麻「無事でいてくれて、それだけで十分です。」
その言葉が、悠真の胸に静かに残る。
もう会えないかもしれない。
そう思うほど、その笑顔が忘れられないものになっていた。



