電話を切ると、部屋に静けさが戻った。

悠真はスマートフォンをテーブルへ置き、もう一度莉麻へ視線を向ける。

ブランケットに包まれたまま、規則正しい寝息を立てている。

……疲れてたんだろうな。

今日初めて会ったばかりなのに。

炎天下で自分を支えてタクシーを呼んで家まで送り届けて看病までしてくれた。

どれだけ気を張っていたんだろう。

「ありがとう。」

その一言じゃ足りないくらいだ。

そう思った時だった。

莉麻の長いまつ毛が小さく揺れる。

ゆっくりと瞼が開いた。

莉麻「……あれ。」

少しぼんやりした声。

周りを見回して、数秒後。

ようやく状況を思い出したように目を丸くする。

莉麻「……私、寝ちゃってました?」

思わず悠真は笑ってしまう。

悠真「うん。ぐっすり。」

その一言に、莉麻の頬が一気に赤く染まった。

莉麻「す、すみません……!」

慌てて立ち上がろうとして、少しふらつく。

長時間同じ体勢だったせいで足が痺れていた。

その様子がどこか可愛らしくて、悠真はまた小さく笑った。