奈津『悠真。』
いつもより少し真面目な声だった。
奈津『お前、人を家に入れるタイプじゃないだろ。』
その言葉に、悠真は何も返せなかった。
その通りだから。
今まで一度もなかった。
仕事関係以外で、自分の家へ誰かを入れたことなんて。
まして初めて会った女の子を。
……普通じゃない。
分かってる。
でもあの時は嫌って思わなかった。
悠真「……分かんない。」
小さく笑う。
悠真「気づいたら信じてた。」
その言葉に、奈津は小さく息を吐いた。
奈津『なら、俺は何も言わない。でも、その子にはちゃんとお礼言えよ。』
悠真は静かに眠る莉麻を見つめる。
今日、偶然出会った女の子。
名前は莉麻。
この出会いが。
自分の毎日を変えるなんて。
まだ、この時の悠真は知らなかった。



