奈津『病院は!?』
悠真「行ってない。」
奈津『行ってないって、お前……。』
電話越しでも分かるくらい呆れた声だった。
奈津『今どこ。』
悠真「家。」
奈津『一人か?』
その質問に、悠真は反射的に莉麻の方を見る。
ベッドにもたれたまま眠る、小さな背中。
ブランケットを肩まで掛けていても、どこか無防備だった。
少しだけ口元が緩む。
悠真「……いや。」
奈津『え?』
悠真「助けてもらった。今、その子がいる。」
その一言で、電話の向こうがまた静かになった。
数秒後。
奈津『……女の子?』
悠真「うん。」
奈津『お前が?』
思わず笑ってしまう。
そんな反応になるのも無理はない。
自分でも信じられないんだから。



