「好き」

その言葉が交わされてから、しばらく二人とも、何も言えなかった。

ただ、握った手だけが繋がっている。

悠真は何度も莉麻の顔を見つめては、嬉しそうに笑う。

けれど、その目にはまだ涙が残っていた。

莉麻「……悠真くん、泣いてる?」

悠真「……だって」

悠真は照れたように目元を拭う。

悠真「嬉しすぎて……」

その言葉に、莉麻の胸も温かくなる。

莉麻「そんなに?」

悠真「そんなに」

即答だった。

そして悠真は、少しだけ迷ってから莉麻の手を両手で包み込む。

悠真「……ずっと、言いたかった」

莉麻「うん」

悠真「莉麻ちゃんが俺のことをどう思ってるのか分からなくて……でも、好きって言ってもらえて、本当に嬉しい」

莉麻は小さく笑う。

莉麻「私も……ちゃんと自分の気持ちが分かってよかった」

すると悠真が、ふっと表情を柔らかくした。

悠真「じゃあ……これからは、俺のこともっと頼って?」

莉麻「え?」

悠真「今まで俺ばっかり莉麻ちゃんに頼ってたから」

少し照れながら続ける。

悠真「今度は俺が、莉麻ちゃんを守りたい」

莉麻の胸がきゅっとなる。

莉麻「……じゃあ、お願いしてもいい?」

悠真「もちろん」

二人で笑う。

その笑顔は、今までとは少し違っていた。

ただのアイドルとマネージャーではない。

ただのファンと憧れの人でもない。

お互いに「好き」と伝え合った二人として初めて向き合った笑顔だった。