部屋の中は夕日に染まっていた。 静かな時間。 こんなにも穏やかな空気が流れる部屋は久しぶりだった。 悠真はベッドにもたれたまま、眠る莉麻を見つめる。 今日会ったばかり。 名前を知ったのも、ついさっき。 それなのにまた会いたいそう思ってしまった。 その時テーブルの上でスマートフォンが震える。 画面に表示された名前は、 『奈津』 ──仕事が終わったのか。 悠真は眠る莉麻を起こさないように、ゆっくりスマートフォンへ手を伸ばした。