悠真の口元が、ゆっくりと緩んだ。

悠真「……うん」

その声は、いつもより少しだけ震えていた。

悠真「俺も、ずっと莉麻ちゃんのそばにいたい」

その言葉に、莉麻の胸が大きく鳴る。

けれど今度は、目を逸らさなかった。

悠真の瞳を、まっすぐ見返す。

――この人のことを、もっと知りたい。

――もっと近くにいたい。

そんな気持ちが、はっきりと自分の中にある。

車が信号で止まった。

窓の外から夕暮れの光が差し込み、悠真の横顔を淡く照らす。

その横顔を見ながら、莉麻はふと思った。

昔、ステージの上にいる悠真を見ていたとき。

こんなふうに、自分の隣にいる未来なんて想像したこともなかった。

ただ、遠くから応援しているだけだった。

それなのに今は自分の肩に寄りかかって自分にだけ弱いところを見せて自分の名前を呼んでくれる。

そして――自分も、その人のそばにいたいと思っている。

莉麻「……悠真くん」

悠真「ん?」

少し迷ってから、莉麻は小さく笑った。

莉麻「今日ね……悠真くんと隣に座れて、嬉しい」

悠真の目が、優しく細められる。

悠真「……俺も」

その短い言葉だけで。

莉麻の胸は、また温かくなった。