帰りの車でメンバーたちはそれぞれの席で疲れた身体を休めていた。

莉麻はいつものように今日の仕事を振り返りながら、明日の予定を確認している。

その隣には、悠真。

さっき「隣がいい」と言った通り、当たり前のように莉麻の隣に座っていた。

悠真「……莉麻ちゃん」

莉麻「ん?」

悠真「今日、楽しかった?」

莉麻「うん。みんなと一緒だったし」

そう答えると、悠真は少しだけ笑った。

悠真「俺も」

そして、窓の外を眺めながら続ける。

悠真「……最近、莉麻ちゃんと一緒にいる時間が増えて嬉しい」

莉麻は手元のスマホを見つめたまま、少しだけ黙った。

以前なら、こんな言葉を聞いたら素直に「私も」と返せたかもしれない。

でも今はその一言が、胸の奥に残ってしまう。

莉麻「……私も、嬉しいよ」

小さな声で返す。

悠真がこちらを見る。

悠真「……ほんと?」

莉麻「うん」

悠真「じゃあ……もっと一緒にいたい」

莉麻は思わず笑ってしまった。

莉麻「悠真、最近そればっかりだね」

悠真「だって、本当にそう思ってるから」

真っ直ぐな瞳。

冗談でも、甘えでもない。

その目を見ていると――

莉麻の中にあった曖昧な気持ちが、少しずつ形になっていく。

――悠真といると、安心する。

――悠真に頼られると、嬉しい。

――悠真が笑ってくれると、自分まで嬉しくなる。

そして。

――もっと、この人のそばにいたい。

その気持ちに気づいた瞬間。

莉麻はそっと悠真の横顔を見つめた。

莉麻「……悠真くん」

悠真「ん?」

莉麻「……これからも、ずっとそばにいてね」

悠真の目が、驚いたように見開かれる。

そして――今までで一番嬉しそうに、笑った。