翌朝昨日までの疲れが少し残る中、メンバーたちはホテルのロビーに集まっていた。

莉麻は全員の荷物や今日のスケジュールを確認しながら、順番に声をかけていく。

莉麻「忘れ物ない? 今日も撮影長いから、飲み物ちゃんと持ってね。」

陽「はーい!」

伊澄「莉麻ちゃん、今日もありがとう。」

莉麻「ううん。」

いつもと変わらない朝。

……のはずだった。

けれど莉麻は、ふと悠真を見る。

昨日の夜から、少しだけ意識してしまっている。

「元々ファンだった」と話したこと。

「今の悠真くんのほうが好きかも」と言ってしまったこと。

そして――。

今まで自分が知らなかった悠真の表情を、自分だけが知っているような気がしたこと。

莉麻「……。」

悠真と目が合う。

悠真「おはよう、莉麻ちゃん。」

莉麻「……おはよう。」

たったそれだけなのに胸が、また小さく跳ねた。

莉麻は自分でも不思議に思いながら視線を逸らす。

その様子を、少し離れたところから奈津と春空が見ていた。

二人とも気づいている。

昨日までとは、何かが少し違う。

四人の気持ちが、今まで以上に交差していくことになる。

春空「……始まったね。」

奈津「……うん。」

二人の視線の先には、莉麻と悠真。

そして悠真はまだ知らない。

莉麻の心が、本格的に動き始めることを。