夜も遅くなり、少しずつみんなが眠そうになってくる。

陽「そろそろ寝ようか。」

未来「明日早いしね。」

一人、また一人と立ち上がる。

莉麻も片付けを手伝いながら、ふと悠真を見る。

悠真はまだ座ったまま、少し眠そうに目をこすっていた。

莉麻「悠真くん、眠い?」

悠真「……うん。」

莉麻「じゃあ、もう寝たほうがいいよ。」

悠真「そうする。」

悠真が立ち上がる。

その瞬間、ふらっと身体が揺れた。

莉麻「……悠真くん!」

莉麻が反射的に腕を掴む。

悠真は少し驚いたあと、莉麻を見て笑った。

悠真「大丈夫。」

莉麻「もう……。」

莉麻は心配そうに悠真を見る。

その顔を見た悠真は、少しだけ困ったように笑った。

そして――。

悠真「……莉麻ちゃん。」

莉麻「なに?」

悠真「部屋まで、一緒に来てくれる?」

莉麻は一瞬だけ目を瞬かせた。

けれど、すぐに笑う。

莉麻「うん。」

二人が並んで部屋を出ていく。

その背中を、春空と奈津が見つめていた。

春空は何も言わない。

奈津も静かだった。

けれど、二人とも分かっている。

今日の話を聞いて――。

莉麻と悠真の間には、自分たちが知らない時間があることを。

そして莉麻自身も、少しずつ悠真を見る目が変わっていることを。

廊下を歩く二人。

悠真がふと、莉麻を見る。

悠真「……莉麻ちゃん。」

莉麻「ん?」

悠真「今日、話してくれてありがとう。」

莉麻「ううん。」

莉麻は笑う。

その笑顔を見ながら、悠真も笑った。

二人ともまだ知らない。

この夜の何気ない時間が――二人の距離を、また少しだけ近づけていたことを。