部屋は静かだった。

聞こえるのはエアコンの風と、悠真の穏やかな寝息だけ。

その寝顔を見つめていると、不思議と自分まで眠たくなってくる。

……大丈夫そう。

さっきより顔色もいい。

ようやく安心できた。

張っていた気持ちが少しずつほどけていく。

莉麻は椅子から立ち上がり、ベッドのすぐ横へしゃがみ込んだ。

もう一度、悠真の額へ手を添える。

熱は少しずつ引いてきている。

よかった。

心からそう思うと、自然と笑みがこぼれた。

そのままベッドに腕を乗せ、そっと頬を預ける。

少しだけ休もう。

悠真が起きたら、また様子を見よう。

そんなことを考えていたはずなのに。

積み重なった安心と疲れが、一気に押し寄せてきた。

瞼がゆっくり閉じていく。

莉麻「……おやすみ、悠真くん。」

小さく呟いたその声は、誰にも届かないくらい静かだった。

数分後。

ベッドの横に頬を預けたまま、莉麻も穏やかな寝息を立て始める。

同じ部屋で眠る二人。

夕暮れの柔らかな光がカーテンの隙間から差し込み、その静かな時間を優しく包み込んでいた。