話題が別のメンバーへ移っても、悠真はどこかぼんやりしていた。

莉麻の言葉が頭から離れない。

「今の悠真くんのほうが、好きかも。」

ファンとしての「好き」なのかもしれない。

それでも――自分にとっては十分すぎるくらい嬉しかった。

ふと隣を見ると莉麻が楽しそうにみんなの話を聞いている。

その横顔を見ていると、自然と笑みがこぼれる。

すると、莉麻がこちらを向いた。

莉麻「……悠真くん?」

悠真「ん?」

莉麻「どうしたの? さっきから静かだけど。」

悠真「……ううん。」

少しだけ迷ってから、悠真は笑った。

悠真「莉麻ちゃんが俺のこと、昔から見てくれてたんだなって思ったら……なんか嬉しくて。」

莉麻「……。」

その言葉を聞いた瞬間。

莉麻の胸が、また小さく鳴った。

悠真が嬉しそうにしている。

それだけなのに、自分まで嬉しい。

莉麻「……私も嬉しい。」

悠真「え?」

莉麻「悠真くんが喜んでくれて。」

悠真が少し照れたように笑う。

その表情を見て――。

莉麻は、なぜか目を逸らせなかった。

綺麗な顔。

優しい笑顔。

でも、ファンだった頃に見ていたものとは違う。

今、自分の目の前にいる悠真は――

自分だけが知っている表情を見せてくれている。

そう思うと、胸の奥がじんわり温かくなった。